「AIと勉強、どうつきあう?」家庭教師の立場から考えてみました

「うちの子、勉強でAIを使ってるみたいなんですけど、大丈夫でしょうか」

保護者の方から、こういう相談を受けることが増えました。答えを写すだけになるんじゃないか、考える力が育たないんじゃないか。心配される気持ちは、よく分かります。

長年、家庭教師として生徒に向き合ってきた立場から、今考えていることを書いておきたいと思います。

まず、「AIに答えを聞く」こと自体は、悪いことではないと思っています。問題は、答えを聞いた後に何をするかです。答えを丸写しして終わる生徒もいれば、答えを見た上で「なぜそうなるのか」を自分で確認し直す生徒もいます。この差は、AIを使うか使わないかではなく、使い方の指導があるかないかで生まれます。

現場で見ていると、AIを使う生徒と使わない生徒の違いは、成績よりも先に「質問の質」に出ます。AIにただ答えを聞くだけの生徒は、質問も曖昧です。一方で、AIをうまく使いこなす生徒は、「この問題のどこでつまずいているか」を自分の言葉で説明できます。つまりAIが、生徒自身の理解度を可視化する道具になっているわけです。

家庭教師として、AIとの付き合わせ方を教えるときに意識しているのは、答えを聞く前に、まず自分で考えさせることです。考えた上でAIに答えを見せてもらい、自分の考えと照らし合わせる。この順番を守るだけで、AIは思考を止める道具ではなく、思考を検証する道具に変わります。

保護者にできることは、実はそれほど多くありません。AIの使い方を細かく管理しようとするより、「今日はAIをどう使ったか」を聞いてあげる方が効果的です。使い方を否定せず、会話のきっかけにする。それだけで、子どもは使い方を見直すようになります。

AIは、勉強の敵でも、勉強を楽にする魔法でもありません。使い方を教わる必要がある、新しい道具のひとつです。そこを一緒に考えていくのが、これからの家庭教師の役割のひとつだと思っています。

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